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あなたの知らない、暗闇の魔術師エドワード・ゴーリーの世界



Image courtesy of the Edward Gorey House, Yarmouth Port
Edward Gorey (1925-2000)

 
彼を形成したキャリアパス(1925-1960)
1925年、米シカゴに生まれたエドワード・ゴーリー。幼少期から絵を描くことに親しみ、少年時代には数々の展示会に出品、地元新聞社も注目する美術少年へと成長していきました。学業面でも群を抜く存在で、飛び級をしたのち、17歳でハーバード大学のスカラシップを受けます。ゴーリーは、そのスカラシップを保留し、まずは地元の美術専門学校へ進学しました。
時代は、第二次世界大戦の只中となり、ゴーリーは専門学校からアメリカ軍への入隊を決め、1943年から終戦までの2年間をユタ州にある陸軍施設で過ごします。1946年、ゴーリーはスカラシップを受けていたハーバード大学へ入学。フランス文学を専攻します。このころから、創作活動を活発化し、物語や詩集の出版、劇場のデザイン監修など、精力的に活動を始めました。1950年に初めて書籍を出版したのち、ニューヨークのDoubleday Anchor社の美術部に在籍、50以上ものカバーデザインを手掛け、瞬く間に、業界では知らぬものはいない、商業イラストレーターとして名を馳せていきます。
その後、出版社を転々としたのち、1960年代以降は、フリーランスとして活動し、300冊以上の挿絵を世に送り出しました。同時に、自作本にも力を入れ、斬新な手法を用いて、100冊以上の本を創作しています。その自作本第一弾” The Unstrung Harp” (1953)は、 今日も語り継がれる先駆的作品といわれています。とある詩人の創作奮闘記を描いた64ページからなる中編小説で、「文体とイラストの両方がストーリーを語る」という新手法を打ち出し、グラフィック・ノベルの礎を築いたのです。その後50年以上、ゴーリーは周囲をあっと言わせる衝撃作を次々と生み出していきました。


​斬新さへの飽くなき追及 (1960-1970)
1960年代には、ゴーリーの作品は世界的な名声を得ていきます。1961年にヨーロッパで初めて翻訳出版されると、その後15言語もの翻訳本が出版されました。1972年には、初めての作品集” Amphigorey” を発表。初期のゴーリー作品が15点収録され、その後出版された” Amphigorey Too”,” Amphigorey Also”,” Amphigorey Again” とともに、ゴーリー作品の集大成と高く評価されています。
ゴーリーは、こうした翻訳本や作品集だけでなく、あらゆる本の可能性を追い求め、斬新であることに尽力したといわれています。マッチ箱サイズの本やポップアップ絵本を創作したり、アナグラム手法で複数のペンネームを使って作品を出版したりと、その常識を覆す創作意欲は、私たちを惹きつけてやみません。
 
“Ideally, if anything were any good, it would be indescribable.”(本来ならば素晴らしいものとは、描き表すことなんてできないんだ。) -Edward Gorey
 

「ゴーリー」を定着させたアニメーションでの成功(1970-2000)
1975年、版画(print making)に傾倒し始めたゴーリーは、自作品を版画に起こす活動を活発化し、限定作品を多く世に送り出しました。1980年代に入ると、出版活動を行いながらも、新鋭的な小演劇の創作や、自作品の展示会、エッチング作品の創作などに集中していきます。同時に知名度が上がるにつれ、商業的プロジェクトへの参加もますます嘱望されました。1980年、ボストンTVからの依頼で制作したMistery!seriesは、その代表的な例であり、その後30年も続く大ヒットを記録しました。このアニメーションは、ゴーリーの世界をさらに一般的に普及させることになり、ゴーリー作品のアイコン的な存在となったのです。
2000年に亡くなるまで、ゴーリーの多様なアート活動は、世界に衝撃を与え続けました。彼の意思は、マサチューセッツ州ケープコッドの自宅を改装した美術館Edward Gorey Houseに引き継がれ、現在も様々な展示会やアート活動などを通じて、さらなる進化を遂げています。
“With a creative body of work-humorous, complex, serious and provocative-Edward Gorey’s diverse works have established him as an important American figure in literature, art and theater.” (ユーモアかつ複雑で、シリアスかつ挑発的である多様な活動によって、エドワード・ゴーリーは、文学、アートそして演劇界にかかせないアメリカ人となった) -Edward Gorey House


 
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